海外からの受取額から支払いを差し引いた収支は1月、約4年ぶりに赤字になった。知財の海外収入は自動車メーカーの現地子会社から本社に支払われる分が大きく、新型コロナウイルスによる生産台数減の影響を受けている。企業グループ外で稼ぐ競争力が十分に育っていなかったとの指摘がある。
知財の国際収支が赤字に転落した要因は、海外からの受け取りが急減したためだ。1月は2365億円と前年同月比2割減り、海外への支払額の3040億円を下回った。
日本は現在は米国、中国に負けているものの、特許申請数・保持数では、世界でトップを走っているにもかかわらず、特許をうまく活用できていないため、上記の記事のように、知財(海外)収入という観点では、赤字になってしまっている。
この数字の中で、自動車関連が半分の割合を持ち、コロナ禍の影響を受けたという分析があるものの、原因はそれだけではなく、コロナ禍が終息しても、この傾向は継続する可能性が高い。
日本では知財で稼ぐことがどうも悪行のように考えられている傾向にある。
100歩譲ってそれを受け入れたとしても、そうすると、日本企業は海外企業の高い知財ライセンス料をいつまでも支払い続けるのだろうか。
彼らはファブレス(簡単に言ってしまえば、無形資産のみ有し、工場などの有形資産を持たない)が多く、知財で飯を喰っている。
自らの悪行は避け、相手の悪行は受け入れる。
そんなことでいいのだろうか。
こういった図式は、日本の外交政策にも同じようなものが見えることがある。
いずれにせよ、もう少し狡猾になってもいいのではないか。
狡猾とまでいかなくても、少なくとも、相手と同じ土俵に立ってビジネスを展開すべきである。
日本がもっとまともに海外と交渉ができる日が来るよう、微力ながら、活動していきたい。