このような記事が出ていました。
2021年1月に、世界に名だたる15大学が共同で、特許管理会社 University Technology Licensing Program LLC(UTLP)という民間企業を設立しました。
名を連ねた大学は以下です。
- Brown University
- California Institute of Technology (Caltech)
- Columbia University
- Cornell University
- Harvard University
- Northwestern University
- Princeton University
- State University of New York at Binghamton
- University of California, Berkeley
- University of California, Los Angeles
- University of Illinois
- University of Michigan
- University of Pennsylvania
- University of Southern California
- Yale University
世界大学ランキングでいつも上位にランクインする大学ばかりです。
そして、EFF(Electronic Frontier Foundation)が、このUTLPがパテントトロールだと指摘したのです。
品質の悪い特許も含めて抱き合わせでライセンスし、お金が得るからだとしています。
果たして、それでパテントトロールと言ってしまっていいのでしょうか。
私はそうは思いません。
特許のライセンス交渉の際には、きちんと特許の価値を見て、それに応じたライセンス料を設定するのが原則です。
その価値に見合わないライセンス料をふっかけて、サービスやビジネスを止めるぞと脅してくるのが、いわゆるパテントトロールだと思います。
それは確かに公益に適いません。
でも、適正なライセンス料が設定され、適切な交渉業務が実施されるのであれば、それは普通の商談であり、いわゆるパテントトロールの行為だとは思いません。
品質悪い特許を抱き合わせで・・・という部分は、過去にも、メーカー間のクロスライセンスでは実際に行われてきたことだと思いますし、そんな際にも、ただ、目を瞑ってライセンス交渉をしているわけではなく、互いの、これぞ、という主役級特許は、きちんとその価値を見定めた上で、ライセンス料(差額)が適正かどうかを判断してこられたと思います。
今回のUTLPの活動は応援すべきものだと思います。
ただ、EFFのような団体から悪く見られないように、ライセンス交渉にあたっては、きちんと弁理士・弁護士などの専門家のアドバイスを得ながら慎重に進めるべきだと思います。